アルファ・ロメオってナニモノ?13
歴代アルファ・ロメオの中で何が一番欲しいか?
と良く考えます。経済的条件や使い方という制約を取っ払う
前提で考えるとどうなるか。
8C2900の画期的なメカニズムやボディーは
とても素晴らしいし、ジュリアも可愛い。
ティーポBはかっこいいし、75のボクシーな
スタイリングは今でも通用します。
と、いろいろ悩んだ結果
というか異常です。1972年に発表されたこのクルマは
オラツィオ・サッタ・プーリガさんという当時のチーフエンジニア
の最後の作品であります。というのも1974年に
彼は亡くなってしまうからです。
彼はアルファ・ロメオが超高級車メーカーの頃入社し
、戦後の大衆車路線化を陣頭指揮した人物です。
母国の敗戦、敗戦直後のレースでの大活躍、
そしてIRI(イタリア産業復興公社)のもとでの大衆車生産。
どれもこれも修羅場です。その修羅場を潜り抜けた人物が
、ミスターアルファ・ロメオが人生最後に創造したクルマ
、というだけで入手する価値があると思います。
さてメカニズムですが、アルフェッタには
トランスアクスルと、ドディオン・リアアスクル、という
技術が、採用されています。
トランスアクスルは重いギアボックスをエンジンと切り離し
、リアのファイナルユニットに配置する、というもので
クルマの重量配分を50:50の理想的な形にします。
これはごく一部の高価格車に採用された形式で
量産車ではありえないコストがかかります。
一方でシフトフィールは長いロッドを操作するので
悪くなるという欠点があるのですが。
ド・ディオン式とは、デフギアをフレームに固定して、
スイングする両ホイールを、軽量,剛性の高いパイプ
で連結したもので、バネ下重量の軽減と、重心の低下
を計ったものです。これもコストがかかります。
ここに恐らく自らの死期を悟っていたであろう
プーリガさんの強い執念を感じます。
きっと経営陣との確執もあったでしょう。
が、最終的には彼の思いは実ったのです。
きっとアルファ・ロメオを愛する人は
とてつもない思いを込めて、モノを作る、
そんな姿勢を、そして製品を見たい人なの
ではないでしょうか。
ちなみに1973年の価格は265万円、
同じ時期のマツダサバンナが79万5000円でした。
追記ながら、第二次大戦直後、アルファ・ロメオのレース
での活躍というものが、敗戦国イタリアの人々にどのくらいの
勇気を与えたのかを想像すると、このクルマは
イタリアがプーリガさんに与えた最後のご褒美のようなもの
投稿者:alfaromeo-redmediaat 17:48| 編集長のつぶやき小屋 | コメント(0) | トラックバック(0)

